オープンしてまだ一か月という怪しいカレー屋に行ってきた。 自室で一人、ビーズクッションに足を乗せ、頭の方向に血をやりながらカレー屋をサーチしていた。すると、Twitterアカウントはあるものの、稼働しているのかしていないのか謎のカレー屋を発見。その名も「スパイスカレーと酒のアテ…… more 　トリステッサ」 日ノ出町駅から徒歩5分ほどのところにあるお店にいざ訪問してみると、客は全くいない。 どう見てもスナックにしか見えないたたずまいの箱だ。しかし、シェフは酒が全く飲めないらしい。店名も全く意図したものではなく、ブラザーが勝手に作ってしまったものだという。 酒は一応あることにはあるが、全然オススメしていない。 私もカレーに合う飲み物はパニーとダエキー（水と唾液）くらいだと思っているので、お酒は控えた。 割烹出身のシェフが織りなすケーララフィッシュカレーとポークビンダルー。 メニューはポークビンダルー、チキンカレー、チキンオーバーライスと３つ並んでいる。 しかし、チキンカレーは今はないらしい。納得いく仕上がりのものがまだできていないからだという。 開店一か月の新店だし、原始時代だろう。味の方はそんなに期待できないかもしれない。と思いながらあいがけをお願いする。 突き出しもちょっと面白く、ツナとカレーリーフとコリアンダーの茎。 マスタードシードをツナの油でテンパりんぐしているのか？！ やってきたのがこちら。 ケーララフィッシュカレーは、南インド感あふれるカレー。 フレッシュなカレーリーフが確かに香り、心は弾む。魚も臭みはなく、玉ねぎも炒め過ぎていないこの感じ。ポークビンダルーは細かめのポークが入って、きつくない程度の酸味と辛みで食べさせるカレーに仕上がっていた。聞けば、調理師学校を卒業してから割烹で数年働いた経験があるのだという。 どうりで、なんだか素人っぽいのだがバシッと決まっている感じがしたわけだ。 更にシェフは感覚派のオタクということで、他のレシピなどは参考にせず、自分の感覚で試行錯誤したレシピなのだという。確かにカレーの世界にハマってしまってしまう人は、何かにドハマりしやすいオタク気質の人が多いような気がする。 他に客は来ず、気づいたら4時間も話し込んでいた。何を話していたのかはあまり覚えていない。しかし、飲み屋特有の窓の無い空間は、外部の猥雑な街とは隔離された、独自の時間軸で回っているような感覚だった。 最後に激甘のチャイを飲んだ。4人前で砂糖を150グラム使っているという。 スパイスはクローブとカルダモンと生姜で、粗挽きにしてアッサムと煮出す作り方。 これは甘すぎるので、レシピを見直すつもりだと言っていた。 甘すぎて、死ぬかと思った。インドで飲んでいたものより数倍は甘い。 でも、いま思い出すとちょっと飲みたいかも。 横浜/トリステッサ close

日ノ出町の怪しいカレー屋トリステッサに行ったときの話。